練習のヒント

♪このページでは「フルートの練習」について寄せられたご相談を集め、可能な限り検証、アドバイスしてまいります。この中にないご相談はぜひお気軽にお問い合わせ下さい。可能な限りお答えいたします。
※実話をもとに再構成しています。個人名は伏せて、一部内容を編集しております。

ケース1:中学生Aさんの場合

部活と勉強と通学で毎日ヘトヘト。とても練習する時間なんて取れない。でも私、がんばる。レッスンは通うの。

そんなAさん、でもやっぱり練習はほとんどできてなくて、レッスンを予約したのはいいけれど、レッスンではぜんぜん吹けない。こんなとき、講師は・・・

→決して結果を求めません。来ただけでもうそれはすごいことなんですから。よく来たね。今日はいろいろ吹いて楽しんでいって。この40分だけでできることをたくさんアドバイスするから。

要は、まだ時間の効率的な使い方がわからないのですね。時間配分と作業配分をしっかり決めることが肝心。それと、勉強も練習も完璧に、ではなくて、どこまでできたかをよく知っておくことが大切ではないかと思います。

ケース2:海外留学生Bさんの場合

一応現地で習っているんですけど、ちょっと先生の相性が合わなくて・・・一時帰国できる年末年始とか、春休み、夏休みにレッスンしてくれませんか?

Bさんは年末に体験に来られ、成田を経つ年明け6日までにレッスンしてほしいというリクエストでした。なので、正月二日と三日に(!)レッスンをしました。
よくよく聞いてみれば、通学途中にこの先生の家があり、レッスンをやめてしまうことすら気まずい雰囲気なのだそうです。う~ん、なかなか決断しきれない優しい性格と、土地の事情なのですね。

事情が許せば、先生に対してどんな形のレッスンをしてほしいときちんと申し出ることだと思います。プロ養成でなければ、もっと自由なレッスンであるべきなのですから。

ケース3:大学生Cさん/Dさんの場合

(Cさんの喜び勇んだレポート)あ、先生、このあいだアドバイスいただいたカラオケボックス、行ってきましたよ。練習でもいいですかって聞いたら快くOKしてくれたので、喜んで練習してきました☆でね、練習に飽きてくると、1曲歌うんですよぉ。これがすっごく気分転換になって、さぁ練習しよう、って気になるんです。これからも通いますね☆
・・・

(Dさんからの退会のメール)いままでいろいろとアドバイスありがとうございました。3年になって学生寮を出て一人暮らしを始めてからは、学生寮のような練習室がないので、最初はカラオケに行きました。でも、外に出るということは一応着替えなきゃならないし、勉強も大変で、だんだん時間が取れなくなっちゃって・・・それに、楽器を見るのも苦痛に感じてきてしまったんです。いまは勉強に集中したほうがいいと思うので、フルートを封印してがんばりたいと思います。

→対照的ですよね。Cさんはとってもアクティブな人でした。その後、やはり就職関連で退会されましたが、意外とすっきりしていたのは、フルートの経験者だったからかもしれません。
Dさんは反対に、はじめてのフルートでした。学生寮の練習室とはこれまた非常によい環境でしたよね。これを失ったときの失望感は相当大きかったんでしょう。

練習にはあまり過度な期待と責任を持ちすぎないことですね。

ケース4:社会人Eさん/Fさんの場合

(兼業主婦のEさん)家で練習したいんですけどね、引っ越してから、上の階の住人がとても神経質な様子で、私がフルートを吹き始めると、必ず床をコツコツ叩いたり、突然掃除を始めたりするんです。練習をやめるとこの音が必ず止むので、なんかプレッシャーを感じちゃって・・・先日、いない間を狙って始めたつもりだったんですけど、結局途中で帰ってきたらしく、荷物をドタバタ移動させる音が聞こえてきて・・・

(プロを目指したいFさん)学校で就いている先生がとにかく厳しくて、エチュードしかやらせてもらえないんです。本当にこれでいいんだろうかと思って、最近別の先生にこっそり就いたら、学校の先生の前で、教わる前にできちゃったことがあって、睨まれました。おまけに、別の先生からは楽器を変えろと言われて買い換えたら、そのせいかどうか、腕を傷めてしまって・・・

→どちらもちょっと深刻な状況です。Eさんは、もう家では吹けませんよね。これは止むを得ません。防音ボックスを購入するか、外のスタジオで練習するしかないと思います。
Fさんは、ちょっと問題が複雑です。よきアドバイザーが必要です。

効率的な練習の方法とは

<その1:時間が取れない人へ>

まずは優先順位を決めることから始めましょう。そして、次にやることは、それぞれにどれだけ時間を割くか決めることだと思います。案外、これはできていない方が多いと思います。限られた時間を有効に使うにはこれしかありません。

とそこへ「目標」という使い勝手のよいものがあります。ここには「完璧」を設定してはいけません。「どこまでできるかな」という設定の仕方がいいと思います。勉強・宿題が忙しい方は、もしかするとフルートの時間が取れなくなってしまうかもしれませんが、片付けばできるのですから、がんばりましょう。

時間配分のヒントです。

・スポーツでは、定期的なトレーニングを週4回やると上達するのだそうです。そこで、フルートも週3回練習して、4回目をレッスン受講にしてみるといいかもしれません。
・1回の練習時間はどれだけ取れますか?10分でもいいから毎日吹きなさいといいますが、10分で楽器を片付ける気になれませんよね。しかし、自分の余暇を30分取るのも一苦労。では20分だと?取れそう?
・月数回、一度に数時間やる方へ。20分吹いて10分休憩、これをワンセットにして4セットやってみてください。疲労が少なく、集中して練習できると思いますよ。これを毎週やれば、週1回の練習を週4回相当に見立てることができますね?不思議だなぁ!

※ポイントは、練習の途中でも時間を区切ってやめてしまうこと。重要です。

<その2:先生にしがらみがある人へ>

あ、だめですよ、黙って去っちゃ!ちゃんと自分の気持ちを伝えて、変えてもらえたらラッキー。ダメだったら、自分は続けられないと申し出ることですね。
直接言うのは勇気が要ります。それはよくわかります。講師の威圧感が半端ないと、反論すらできない雰囲気があることでしょう。そんなとき、魔法のワードがあります。

「先生、つらいです」

講師はこれを言われるとかなりのショックを受けます。どんなに威圧感のある方でも戸惑います。また、切り出したあなたは、この言葉につられて一気に状況を吐露できます。
その後は間違いなく穏便に帰してもらえます。落ち着いたときに話したいと思うのが講師の気持ちです。大いに反省します。

いずれ、とことん話し合うことが重要かと思います。講師は、生徒が目指すものを感じ取るのが仕事です。もしレッスンを終えることになっても、スッキリしてからにしましょう。

<その3:練習の場所がない人へ>

カラオケボックスは意外と使わせてもらえます。思い切って受付に尋ねてみてください。その他、会社の倉庫で昼休みに吹いているとか、レンタルスタジオで吹いているといったレポートもあります。防音室は、やっぱり高額ですよね。設置できる環境も限られています。

設置できる環境はあるけど費用が出せない、という方は、防音室レンタルを使う手があります。自作はしんどいけど、やる気がある、興味があるという方はお教えします。

<その4:高度な要求について行けない方へ>

上級者へのレッスンは、たいていが厳しいものになります。そんな時、目的がわからず練習するのは辛いことですよね。

エチュードって、何のためにやると思いますか?これは、先に講師が丁寧に説明すべきだと思います。ジャズにはエチュードがほとんど存在しません。その理由は、基礎練習、特にスケールとアルペジオを多彩なパターンでやることに時間を割くからです。クラシックメソッドのエチュードは、実はこの「パターン練習」に相当するのです。

楽譜を読む。それを正確に演奏する。ここで終わってしまう方が多いし、そこまでしか教えない講師も多い。由々しきことです。ちゃんと見極めれば、こんなことも言えるのです。

・素直に読みきれない音型は、新しい(自分が知らなかった)パターンである
・むずかしいエチュードほど、マニアックなパターンを練習することになる
・初見に強い人は、実は楽譜を読んでいるのではなくて、パターンを先読みしている
(十数小節先を読める解析力のある方もいますが、超人だとリスペクトしましょう)
・ショパンのエチュードは演奏会でも取り上げられる。つまり、エチュードも音楽なのである(フルートのエチュードはほとんど披露されないだけにすぎない)
・通す練習は一番最後に。間違えない練習を多くやること。
・聞いて覚えるのも練習の一つ。楽譜ソフトに自分で入力することで、きちんと読むことになり、それを保存再生すれば、聞いて覚えられる。

先生の模範演奏を録音させてください、というと、大抵は断られるようです。自力で読んできなさいと言われます。でも、視覚障害者の方々は点字楽譜が高額で少ないため、ほとんどは聞いて覚えます。ですから、この方法もあって当然なのです。

楽譜を読むことを放棄しろと言っているのではありません。読む練習はしなければなりませんが、限界があるならば、聞くことは参考にすべきです。